私が人生で初めて出会ったSNSは、大学生のころのmixiでした。
「マイミクって何だろう」「足跡をつけるの、ちょっとためらうな」。そんなことを思いながら、インターネットを介して遠くの人とつながる不思議さに戸惑っていたのを覚えています。
その後、旅先で出会った人に「Facebookやってる?」と聞かれたこともありました。当時の私はFacebookをノートパソコンの一種だと勘違いしていて、「あるよ」と答えてしまいました。今でも思い出すと笑ってしまいます。
笑い話ですが、当時の私にとってSNSは、それくらい「よく分からないもの」でした。そして、よく分からないものは、やっぱり怖い。
だから私は、長いあいだSNSを避けぎみに過ごしてきました。個人情報が漏れたらどうしよう。この投稿の書き方でよかったかな。トラブルに巻き込まれたらどうしよう。
今になって振り返ると、怖がりすぎていたな、と思います。必要だったのは「使わないこと」ではなくて、SNSとどのくらいの距離で付き合うか、という自分なりのものさしでした。それさえ持っていれば、もっと早くから世界は広がっていたのかもしれません。
だからこの記事は、「SNSは危険だからやめましょう」という記事にはしませんでした。子どもたちがこれから生きていく社会に、SNSは当たり前にあります。取り上げるのではなく、付き合い方を一緒に学ぶ。そのための地図のつもりで書いています。
この記事の立場:危ないのは「SNS」ではなく「使う人」
先に、私の考えを書いておきます。
きれいごとに聞こえるかもしれませんが、危ないのはSNSそのものではなく、SNSを使う人のほうだと思っています。
自転車と似ている気がします。自転車そのものが危ないわけではなくて、交通ルールを知らないまま車道に出るのが危ない。かといって「一生乗らせない」とはならないと思うのです。乗り方とルールを覚えてから、少しずつ行動範囲を広げていく。だから対策も、「危ないものを遠ざける」ではなく、「何が起きうるかを知ってから持つ」という順番で考えたいと思っています。

念のため書いておくと、わが家はまだ子どもにスマホを持たせていません。ゲームもオフラインで遊ぶ段階です。つまり私は、経験者として書いているのではなく、これから同じ場面を迎える一人の親として、先に調べたことを書いています。
法律を勉強するようになって、いちばん強く感じたのは「知らなかった」では済まないことが意外と多い、ということでした。学生のころ、法律は犯罪や裁判の話で、自分とは遠いものだと思っていました。でも実際には、友だちとの約束も、買い物も、スマホもゲーム課金も、法律とつながっています。
法律を覚えておけば得をする、という話ではありません。少し知っているだけで、立ち止まれる瞬間が増える。私はそこが大きいと思っています。
なお、いまの子どもとネットの距離は、数字で見るとこんな具合です。こども家庭庁の令和7年度「青少年のインターネット利用環境実態調査」報告書によると、10〜17歳の99.0%がインターネットを利用していて、平日1日あたりの平均利用時間は5時間27分。高校生では6時間44分、中学生で5時間24分、小学生(10歳以上)でも3時間54分でした。
全部を見張るのは、たぶん無理です。だから地図がいるのだと思っています。
子どものSNSトラブルは、3つに分けると整理しやすい
心配ごとはいろいろあるように見えて、実は次の3つのどれかに当てはまることが多いです。
- 子どもが被害にあう(悪口を書かれる、写真を悪用される、知らない人に狙われる)
- 子どもが気づかないうちに加害者になる(悪口を書く、友だちの写真を勝手に載せる、他人の作品を使う)
- お金が絡む(ゲーム課金、投げ銭、フリマ、「簡単に稼げる」話)
この3つで整理しておくと、いざというときに「うちのこれは、どのタイプか」がすぐ分かります。動き方も、タイプごとにだいたい決まっているからです。
- ①被害にあう
よくある例:悪口・晒し、知らない人からの誘い、写真の悪用
親がまずすること:消さずに記録を残して、窓口に相談する - ②加害者になる
よくある例:悪口を書いた、友だちの写真の無断投稿、著作物の無断使用
親がまずすること:事実を確認して、削除と謝り方を相談する - ③お金が絡む
よくある例:ゲーム課金、投げ銭、フリマ、闇バイト
親がまずすること:明細を確認して、消費者ホットライン188へ

急いでいる方は、気になるタイプのところだけ読んでも大丈夫です。
① 子どもが被害にあうトラブル
SNSで悪口を書かれる・晒される
いちばん相談が多いタイプかもしれません。グループトークでの悪口、勝手に写真を載せられる、名前や学校を書き込まれる。子どもにとっては、教室と違って逃げ場がないのがつらいところだと思います。
ここで大切なのは、画面を消さないことです。あとで削除を求めたり、学校や警察に相談したりするとき、記録が残っているかどうかで動きやすさが変わります。「見たくないから消したい」という気持ちはとてもよく分かるのですが、スクリーンショットだけは先に取っておけると安心です。
知らない人とつながってしまう
警察庁が2026年2月に公表した「令和7年における少年非行及び子供の性被害の状況」によると、SNSがきっかけで犯罪の被害にあった18歳未満の子どもは、令和7年の1年間で1,566人でした。
内訳は、中学生758人、高校生579人。そして小学生が167人で、前の年(136人)より約2割増えて、過去10年でいちばん多くなっています。小学生の被害でもっとも多かった年齢は11歳でした。
この資料を読んでいて私がいちばん「そうだったのか」と思ったのは、統計でいう「SNS」に通信ゲーム(オンラインゲーム)のやりとりも含まれていることでした。入り口は、いわゆるSNSアプリだけではないということです。ゲームのチャットやフレンド機能から関係ができていくこともあります。
わが家がまさにこれから直面するところです。今はオフラインで遊んでいますが、オンラインにつないだ日から、見ず知らずの人とやりとりが始まります。傷つく言葉を投げかけられたらどうするか。そのとき何と声をかけるか。正直、まだ答えは探している途中です。
ひとつだけ、伝えようと決めていることがあります。ゲームの中で「知っている人」と、現実で「知っている人」は同じではない、ということです。子どもからすると、毎日一緒に遊んで、何度も話していれば、もう友だちのように感じると思います。その感覚自体を否定したくはありません。ただ、その人が名乗っている年齢や立場は、確かめようがない。そこだけは伝えておきたいと思っています。
写真が悪用される(生成AIの話)
ここ数年で新しく出てきた心配ごとです。
同じ警察庁の資料によると、生成AIなどを使って子どもの画像を性的に加工した事案は、令和7年に114件把握されています(前年は110件)。被害にあった子どもは中高生が全体の約9割。そして行為者は、同級生や同じ学校の人が約6割でした。
「知らない大人が危ない」という話だと思っていると、見落としてしまう部分だと思います。SNSに載せた何気ない写真が、身近な誰かの手で加工されてしまうことがある。だから「載せる前にひと呼吸」は、防犯というより生活の作法として伝えたいと思っています。
② 気づかないうちに加害者になってしまうトラブル
こちらは、相談しづらいぶん、深刻になりやすいタイプです。
「軽い気持ちで投稿しただけ」「友だちに送っただけ」。そういう行動でも、個人情報が広がったり、誰かを傷つけたり、一度広まった画像を完全には消せなくなったりすることがあります。
悪口を書いた側になったとき
ネット上の書き込みでも、内容によっては名誉毀損や侮辱にあたることがあります。相手が受けた損害について、話し合いや裁判でお金の支払いを求められることもあります。
ただ、ここで子どもを問い詰めても、良い方向にはいきにくいと感じています。「なぜ書いたのか」より先に、「今どうなっているか」を一緒に確認するほうが、結果的に早く収まることが多いようです。
友だちの写真を勝手に投稿してしまう
「みんなで撮った写真をそのまま載せた」。悪気はまったくないパターンです。
でも、人には自分の姿を勝手に撮られたり公開されたりしない権利(肖像権)があります。
ここは、子どもと話すと少し面白いところです。実は「肖像権」という名前の条文は、法律のどこにもありません。もとになっているのは憲法第13条の「すべて国民は、個人として尊重される」という一文で、ここから最高裁判所が昭和44年(1969年)の判決で「何人も、その承諾なしに、みだりにその容ぼう・姿態を撮影されない自由を有する」(容ぼう・姿態=顔や姿のことです)と述べ、肖像権という考え方が育ってきました。
そして実際に誰かの肖像権を傷つけてしまったときに出てくるのが、民法第709条です。
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
民法第709条
かたく見えますが、「わざと、またはうっかり人の権利を傷つけたら、その分を弁償してください」という意味です。写真の無断投稿も、ここに当てはまることがあります。
条文の番号まで覚える必要はまったくありません。ただ、「勝手に載せない」が、誰かが裁判で争ってようやく認められた権利の話だと知ると、少し重みが変わる気がしています。載せる前に本人に確認する、というだけで防げることなので、家庭で共有しておきたいことのひとつです。
好きな作品の画像や音楽を使ってしまう
推しの画像をアイコンにする、曲を使って動画を作る、切り抜きを投稿する。タイムラインを眺めていると当たり前のように流れてくるので、悪いことをしている感覚がないまま真似してしまうことがあります。ただ、著作権のルールから見るとグレーだったり、はっきりアウトだったりします。
「ダメ」と言い切るより、「どこまでならセーフか」を一緒に確認するほうが伝わりやすいのではないかと思っています。
③ お金が絡むトラブル
ゲーム課金・投げ銭
カードの明細を見て、はじめて気づく。これは実際にある話です。国民生活センターに寄せられた相談にも、「クレジットカードの履歴から、小学生の息子が親に無断でオンラインゲームの高額課金をしていたことがわかった」という例が挙がっています。
ただ、調べてみて考えを改めたところがあります。これは「ある日突然」起きることではなさそうです。
同センターによると、契約当事者が小中高生のオンラインゲームに関する相談は2022年度で4,024件あり、そのときの契約購入金額は平均で約33万円でした。1回のタップで33万円になることは、まずありません。つまりこの金額は、気づかれないまま積み上がっていった時間の長さでもあります。相談の多くは、スマートフォンやタブレットでの小学生・中学生の無断課金だそうです。
なので、怖いのは明細に並んだ金額そのものより、その間ずっと、親も子も気づいていなかったことのほうかもしれません。
未成年の子どもが親の同意なしにした契約は、あとから取り消せることがあります。根拠になるのは民法第5条です。
1 未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。(略)
2 前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。
3 第一項の規定にかかわらず、法定代理人が目的を定めて処分を許した財産は、その目的の範囲内において、未成年者が自由に処分することができる。(略)
かみくだくと、こうなります。
- 1項 … 子どもが契約をするときは、親(法定代理人)のOKがいります
- 2項 … 親のOKなしにした契約は、あとから取り消せます。これが「未成年者取消権」と呼ばれるものです
- 3項 … ただし、親が「自由に使っていいよ」と渡したお金、つまりおこづかいの範囲なら、子どもが自分で使って大丈夫です
課金も契約のひとつなので、2項の考え方が使える場面があります。
ただし、いつでも取り消せるわけではありません。ひとつは、いま見た3項のおこづかいの範囲と認められる場合です。もうひとつが、年齢を偽って登録した場合で、こちらは民法第21条が関係します。
制限行為能力者が行為能力者であることを信じさせるため詐術を用いたときは、その行為を取り消すことができない。
民法第21条
「制限行為能力者」には未成年者が含まれ、「詐術(さじゅつ)」は、うそをついて相手に信じ込ませることです。つまり「大人のふりをして契約したなら、あとから『実は子どもでした』と言って取り消すことはできませんよ」という条文になります。年齢の入力欄を、うっかりではなく意図的に偽ったときが、これにあたることがあります。
また、国民生活センターは「子どもが保護者のアカウントでログインしたスマホで課金した場合は、アカウントの所有者である保護者が決済を行ったとみなされる場合もあります」と説明しています。親のスマホで課金されていると、そもそも「子どもがやった」と示すこと自体がむずかしくなる、ということです。
まずやることは、明細を確認して事実を押さえること。そして、消費者ホットライン「188(いやや)」に相談することです。全国どこからでもかけられて、地域の消費生活センターにつながります。
私自身、ゲームは楽しいものだと思っています。だからこそ取り上げるのではなく、節度をもって付き合ってほしい。ただ、アイテム欲しさに高額な課金にのめり込んでしまう可能性は、誰にでもあると思っています。「いくらまで」を決めるだけでなく、なぜ上限がいるのかを先に話しておけるといいのかなと考えています。
フリマアプリでの売買
「使わなくなったカードを売りたい」「ここでしか買えないグッズがある」。子どもにとっては、お小遣いを増やす手段でもあり、欲しいものへの近道でもあります。
まず確認しておきたいのが、年齢のルールです。多くのサービスは、未成年が使う場合に保護者の同意を求めたり、そもそも年齢の下限を設けたりしています。ルールはサービスごとに違い、変わることもあるので、使い始める前に一度、規約を親子で見ておけると安心です。
そのうえで、フリマアプリには通販とは違う難しさがあります。相手がお店ではなく個人だということです。お店から買った場合に使える消費者向けのルールが、個人どうしの取引では使えないことがあります。「商品が届かない」「写真と違う」「返品を断られた」といったとき、話し合いがこじれやすいのはこのためです。
もうひとつ、親のアカウントで子どもに売買させているご家庭も多いと思います。気持ちは分かるのですが、この場合は親が取引の当事者になります。何かあったとき、子どもの取引だからと説明することがむずかしくなる点は、頭の片隅に置いておきたいところです。
困ったときは、ここも消費者ホットライン188が窓口になります。
「簡単に稼げる」という話
これだけは、ほかと分けて考えたほうがよさそうです。SNSで流れてくる「高額バイト」「即日払い」といった誘い文句は、いわゆる闇バイトの入り口になっていることがあります。
もし子どものスマホでそういうやりとりを見つけたら、家庭で解決しようとせず、警察に相談するほうが安全だと言われています。相談専用電話は#9110です(急を要するときは110番)。
何かあったとき、共通してやることは3つ
タイプはいろいろでも、最初の動き方はだいたい同じです。

1. 最初のひとことを「何やってるの!」にしない
順番として、これがいちばん最初だと思っています。
怒られると思えば、子どもは隠します。SNSのトラブルは、早く大人に相談できるかどうかで状況が変わることがあります。だから、言いたくなるのをこらえて、「話してくれてありがとう」から入る。そのあとで一緒に確認する。
それに、「何やってるの!」と言いたくなる場面ほど、よく考えると私たちのほうがまだ何も話していなかっただけ、ということもある気がします。教わっていないことは、できなくて当たり前です。子どもが失敗したというより、親子で話す機会がまだなかった。そう考えたほうが、次にやることもはっきりします。
私はまだその場面を経験していませんが、たぶん相当こらえることになると思います。それでも、「困ったら、一緒に考えよう」と言える親でありたいと思っています。
2. 記録を残す(消さない)
- 画面のスクリーンショット(相手のアカウント名が写るように)
- ページのURL
- 気づいた日時、やりとりの流れをメモ
つらい書き込みほど消したくなりますが、削除を求めるときも、警察や学校に相談するときも、記録があるほうが話が早く進みます。
3. 窓口に相談する
「これは相談していいことなんだろうか」と迷う段階で、もう相談していいのだと思います。どこも無料で、名前を言わずに相談できるところもあります。
どこへ連絡すればいいかは、次の章にまとめました。
困ったときの相談先
ここが、この記事でいちばん役に立ってほしいところです。相談先は「とりあえず一覧」ではなく、状況から引ける形にしました。

まず、急ぐとき
- いのちや体に危険がある/いま脅されている
→ 110番
受付:24時間 - 子どもが性的な被害にあった(裸の写真を送らされた、それをネタに脅されているなど)
→ #8103(ハートさん)お住まいの都道府県警の性犯罪被害相談電話につながります
受付:夜間・土日祝は当直が対応 - 性被害について、医療や心のケアまでまとめて相談したい
→ #8891(はやくワンストップ)最寄りのワンストップ支援センターにつながります
受付:センターにより異なる
子どもの性的な画像が関わる話は、親だけで抱えないでください。相手が同級生であっても同じです。ためらう気持ちはよく分かるのですが、ここは専門の窓口の力を借りたほうが、結果として子どもを早く楽にできます。
状況別のつなぎ先
ネットの書き込み・画像のこと
- 書き込みや画像を消したい
→ ①まず、そのSNS自身の通報・削除依頼の窓口
→ ②うまくいかないときは違法・有害情報相談センター(ihaho.jp)
補足:総務省の支援事業。Webフォームのみ。削除依頼を代行するのではなく、自分で行う方法を教えてくれます - 誹謗中傷の削除を、サイト側に促してほしい
→ 誹謗中傷ホットライン(セーファーインターネット協会)
公式サイト
補足:原則は本人からの相談ですが、被害者が子どもや就学中の場合は保護者・学校関係者からも相談できます - 児童ポルノなど、明らかに違法な画像が出回っている
→ インターネット・ホットラインセンター
公式サイト
補足:匿名で通報でき、警察への情報提供やサイトへの削除要請につながります
削除については、2025年4月に「情報流通プラットフォーム対処法」(正式名称:特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律)という法律が施行されました。大規模なSNS事業者には、削除の申出を受け付ける窓口を用意することや、申出を受けたら原則7日以内に判断結果を申出者に通知することなどが義務づけられています(法律は「14日以内で総務省令が定める期間」と定め、その省令が7日としています。発信者の意見を聴くときなど、例外もあります)。「言っても無視されるだけでは」と思われるかもしれませんが、以前より仕組みは整ってきています。
お金のこと
- 課金・契約・返金の相談
→ 消費者ホットライン 188(いやや)
補足:全国どこからでも、地域の消費生活センターにつながります
学校・いじめ・人権のこと
- 学校で起きていることを相談したい
→ まず担任・学年主任など学校へ。動きが鈍いと感じたら24時間子供SOSダイヤル 0120-0-78310(文部科学省)
受付:24時間・年中無休 - 悪口・晒し・いじめを人権の問題として相談したい
→ こどもの人権110番 0120-007-110(法務省)
受付:平日8:30〜17:15
子ども本人のこと
- 子ども本人が誰かに話したい(18歳まで)
→ チャイルドライン 0120-99-7777
受付:毎日16〜21時 - 子どもが精神的に追い詰められている様子がある
→ まもろうよ こころ(厚生労働省)
公式サイト
受付:電話・SNS・チャットの相談窓口がまとまっています
その他
- 犯罪かもしれない/警察に相談したい
→ 警察相談専用電話 #9110
補足:急ぐときは110番 - 損害賠償など、法的な手段を考えたい
→ 法テラス 0570-078374
補足:どの制度・どの専門家を使えるかを教えてくれる窓口です - ネット・スマホのトラブル全般(東京都に在住・在学・在勤の方)
→ こたエール 0120-1-78302(東京都)
補足:電話・LINEは月〜土15〜21時、メールは24時間受付
※連絡先・受付時間は2026年9月時点のものです。おかけになる前に各機関の公式サイトでご確認ください。
どこに相談すればいいか分からないときは
それでも迷ったら、#9110(警察相談専用電話)か188(消費者ホットライン)に、そのまま「どこに相談すればいいか分からない」と伝えて大丈夫です。専門外の内容であっても、行き先を教えてもらえることが多いです。
「相談先を決めてから電話する」必要はありません。決められないことを相談する、で十分です。
相談する前に、これだけ手元にあると話が早いです
- 記録 … 画面のスクリーンショット、ページのURL、気づいた日時
- 時系列のメモ … いつ、何があって、今どうなっているか。3行で構いません
- 使っていた環境 … サービス名(LINE、オンラインゲームなど)、端末が親のものか子ども本人のものか、決済方法(課金の場合)
全部そろっていなくても相談はできます。ただ、3つ目は意外と最初に聞かれるので、頭の片隅に置いておくと落ち着いて話せます。
電話が苦手なときは
電話をかけるハードル自体が高い、という方も多いと思います。私もそうです。文字でやりとりできる窓口もあります。
- 違法・有害情報相談センター … Webフォームで相談 公式サイト
- 誹謗中傷ホットライン(セーファーインターネット協会) … Webフォームで相談 公式サイト
- まもろうよ こころ(厚生労働省) … SNS相談・チャット相談の窓口一覧 公式サイト
- こたエール(東京都) … メールは24時間、LINE相談あり 公式サイト
相談したら、どうなるのか
はじめて相談するときは、その先が見えないのがいちばん不安だと思います。だいたいこんな流れです。
- 多くの窓口は匿名でも相談できます。名乗りたくなければ名乗らなくて大丈夫です
- 多くの窓口では、相談しただけで自動的に通報されたり、学校に連絡がいったりすることはありません(いのちに関わる場合などは別です)
- その場で解決しなくても、「次にどこへ行けばいいか」を教えてもらえることが多いです
- 相談そのものにお金はかかりません(0570や#で始まる番号など、通話料がかかるものはあります)
起きる前にできること
ここからが、この記事でいちばん書きたかったところです。
フィルタリングは「親が入れる」より「子どもが納得して入れる」
正直に書くと、私は「フィルタリングを入れましょう」という一般的なアドバイスに、少し引っかかりを感じていました。
仕組みで守ることは、とても有効だと思います。子どもはまだ自分で判断しきれない部分がありますし、私自身、入れるつもりでいます。ただ、できることならどうしてその設定が必要なのかを子ども自身が腑に落ちた状態で、自分の手で設定してほしいというのが本音です。
理由がわからないまま制限されると、親の目を盗んで解除しようとしたり、小手先でごまかしたりしないかな、と心配になるからです。そうなると、設定はあるのに実質は無防備、という状態になりかねません。目先のルールではなく、その奥にある理由のほうを分かってほしいと願っています。
制度としては、携帯電話会社は18歳未満の子どもが使うと分かっている場合、原則フィルタリングをつけた状態でサービスを提供することが法律で決まっています(青少年インターネット環境整備法。正式名称:青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律)。ただし、保護者が「使いません」と申し出れば外せます。つまり、契約時の状況によっては外れたままになっていることもあります。
実際、先ほどのこども家庭庁の調査では、子どもがスマホを使っている保護者のうちフィルタリングを利用しているのは49.2%。「契約時または契約変更時にフィルタリングに加入した」と答えた保護者は54.3%でした。だいたい半分、という数字です。
入れるか入れないかはご家庭の判断でいいと思います。ただ「今どうなっているか知らない」状態だけは、もったいない気がしています。
ルールは「何時間まで」より「なぜそうするのか」
わが家でも、インターネットやゲームについて話すことがあります。ただ、「何時間まで」「これは禁止」とルールだけを決めるのではなく、できるだけ「なぜそうするのか」も一緒に話すようにしています。
同じ調査で、私がいちばん考えさせられた数字があります。
インターネット利用のルールを「決めている」と答えた割合は、小学生で83.8%、中学生で74.5%、高校生では44.3%(いずれも子ども本人の回答)。学年が上がるほど下がっていきます。
さらに高校生では、保護者の58.3%が「決めている」と答えているのに対し、子ども本人は44.3%。親子で認識がずれているわけです。
ルールは、決めた日がゴールではないのだと思います。子どもが大きくなれば使い方も変わるので、「まだこのルールでいい?」と年に一度たずねるくらいが、ちょうどいいのかもしれません。
写真を送る前に、3つだけ一緒に考える
写真を送ったり投稿したりするとき、わが家で一緒に確認したいと思っているのは、この3つです。
- 家の場所が分かるものが写っていないかな
- 学校や名前が分かるものはないかな
- 友だちが写っているなら、勝手に載せて大丈夫かな

親が代わりにチェックするのではなく、子ども自身が3つ思い出せるようになったら、それがいちばん強い気がしています。
結局いちばんの備えは、話せる関係
どれだけ設定をしても、子どもはいつか親の目の届かないところでインターネットを使うようになります。そのとき必要になるのは、たぶん自分で考える力です。
- 知らない人から連絡が来たらどうしよう
- この写真は載せていいのかな
- 友だちが悪口を書かれていたらどうする
- 自分が失敗してしまったら、誰に相談する
親がずっと子どものスマホを監視することはできません。だから私は、SNSの安全対策はスマホの設定だけでなく、親子の会話まで含めて考えるものだと思っています。
正直、親自身もSNSを使いながら学んでいる途中です。全部を管理するというより、困ったときに子どもが話せる関係をつくっておくことのほうが、たぶん効きます。

子どもと一緒に読むページ:これだけは知っておこう
ここから下は、スマホを使い始める子ども本人にも読んでもらえたらうれしいところです。よければ、この見出しだけでも一緒に読んでみてください。
1. 画面の向こうには、いつも人がいます
文字だけだと、相手の顔が見えません。だから軽い気持ちで書いたひとことが、思ったよりも深く刺さることがあります。逆に、刺さってしまったときは、あなたが我慢しなくていいです。
2. ゲームの中で「知っている人」は、現実で知っている人とは違います
毎日一緒に遊んでいても、その人が本当は何歳で、どんな人なのかは分かりません。会いに行こうと誘われたら、行く前にかならず家の人に話してください。
3. 写真を送る前に、3つ考えてください
家の場所が分かるものは写っていないか。学校や名前が分かるものはないか。友だちが写っているなら、その子に聞いたか。一度ネットに出た写真は、完全に消すのがとてもむずかしいです。
4. お金を使うときは、先に相談してください
ゲームの課金も「契約」です。あとから取り消せることもありますが、取り消せないこともあります。困るのは、あなた自身になってしまいます。
5. 失敗しても、大丈夫です
だまされた、悪口を書いてしまった、変なやりとりをしてしまった。そういうときこそ、早く言ってほしいです。早ければ早いほど、たいていのことは何とかなります。言いにくかったら、下の相談窓口に電話してもいいです。名前を言わなくても話を聞いてもらえます。
- チャイルドライン(18歳まで)0120-99-7777(毎日16〜21時)
- 24時間子供SOSダイヤル 0120-0-78310(24時間)
これから変わるかもしれないこと(2026年9月時点)
子どものSNS利用については、いま国でも議論が進んでいます。
こども家庭庁の有識者会議は2026年7〜8月に中間整理をまとめ、SNS事業者に対して利用者の年齢確認を厳しくすることなどを求める方向を示しました。海外で広がっている一律の年齢制限についても、議論を進めるべきだという提言が盛り込まれています。青少年インターネット環境整備法の改正案は、2027年の通常国会への提出が目指されています。
まだ決まったわけではないので、動きがあればこの記事も更新していきます。
おわりに
最後にもう一度だけ整理します。
- 子どものSNSトラブルは、①被害にあう ②加害者になる ③お金が絡むの3つで整理できる
- 何かあったら、「何やってるの!」を言わない・消さない・相談するの順番で動く
- 備えは、理由から話すこと・年に一度ルールを作り直すこと・話せる関係でいること
正直に書くと、この記事は、いつか自分の子どもにスマホを渡す日のために書き始めたものです。だから「正解を教える」というより、これから一緒に学んでいくための下調べに近いかもしれません。
「SNSは怖いから禁止しよう」ではなく、「SNSのある社会で、自分を守れるようになるために、親子で少しずつ知っていこう」。親も完璧じゃなくていいと思っています。私も、この記事を書きながら「あ、これ知らなかった」と何度も思いました。
全部を今日やらなくて大丈夫です。今日ひとつだけ、たとえばフィルタリングが今どうなっているかを確認するだけでも、十分だと思います。
なお、この記事は一般的な情報をまとめたものです。個別のケースについては、上に挙げた相談窓口や、弁護士などの専門家にご相談ください。状況によって答えが変わることが多いテーマなので、そこはぜひ専門家の力を借りてください。
参考にした情報
- こども家庭庁「令和7年度青少年のインターネット利用環境実態調査」報告書(令和8年3月公表)
- 警察庁「令和7年における少年非行及び子供の性被害の状況」(令和8年2月公表)
- 総務省「インターネット上の違法・有害情報に対する対応(情報流通プラットフォーム対処法)」
- 違法・有害情報相談センター(総務省支援事業)
- 国民生活センター「「スマホを渡しただけなのに…」「家庭用ゲーム機でいつの間に…」子どものオンラインゲーム課金のトラブルを防ぐには?」(2021年8月12日)
- 国民生活センター「オンラインゲーム(各種相談の件数や傾向)」(2026年7月31日更新)
- 国民生活センター「子どものオンラインゲーム 無断課金につながるあぶない場面に注意!!」(2024年3月13日)
- e-Gov法令検索「民法」(第5条・第21条・第709条)
- e-Gov法令検索「特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律」(情報流通プラットフォーム対処法。第25条)
- e-Gov法令検索「同法施行規則」(第16条。通知の期間を7日と規定)
- 最高裁判所大法廷判決 昭和44年12月24日(京都府学連事件。肖像権の根拠とされる判例)
- こども家庭庁「青少年インターネット環境整備法」
- 法務省「こどもの人権110番」
- 文部科学省「24時間子供SOSダイヤル」
- チャイルドライン
- 警察庁「性犯罪被害相談電話全国共通番号 #8103」
- 内閣府男女共同参画局「性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター #8891」
- セーファーインターネット協会「誹謗中傷ホットライン」
- インターネット・ホットラインセンター
- 厚生労働省「まもろうよ こころ」
- 東京都「こどものネット・スマホのトラブル相談 こたエール」
この記事は2026年9月時点の情報をもとに書いています。法律や制度、相談窓口の連絡先は変わることがあるため、年に一度は見直して更新します。
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