子どものスマホ、ルールは親が決める?一緒に決める?|フィルタリングと話し合いの進め方

子どものスマホ、ルールは親が決める?一緒に決める?|フィルタリングと話し合いの進め方

子どものころ、私はゲームが好きでした。

好きすぎて、親に隠れてやっていました。机の下にゲーム機を持ち込んで、勉強しているふりをしながら遊ぶ。留守番をまかされた日は、これ幸いと腰を据える。親が帰ってくる物音が聞こえたら、あわてて片づける。あのときの、胸のあたりがざわざわする感じを、いまでもなんとなく覚えています。

攻略本を持っていなくても、困りませんでした。裏技も、隠しキャラの出し方も、必殺技のコマンドも、ぜんぶ友達から回ってきたからです。誰が最初に見つけたのかは分かりません。それでも情報は、教室の中をきちんと駆けめぐっていました。

そして、親になったいま、思うことがあります。

これから子どもにスマホを持たせて、フィルタリングをかけたとして——本当に、かけたもの以外は使わないのでしょうか。

正直なところ、あまり自信がありません。だって私は、机の下でゲームをしていた人間です。

この記事でお伝えしたいこと

フィルタリングは、かけます。でも、それだけでは足りません。

この記事は、スマホを渡す前に「何をどう話せばいいか」が分からない方に向けて書きました。設定の手順と、話し合いの進め方の両方をまとめています。

設定の手順だけ先に知りたい方は、設定にかかるお金へ飛んでください。(全部無料でできます)

わが家は、まだ子どもにスマホを渡していません。だからこれは「うまくいった体験談」ではなく、渡す前のいま、私が考えていることです。同じ時期にいる方には、かえって近い目線かもしれません。

すり抜けていく子どもたち

あまり気持ちのいい話ではないところから始めます。

フィルタリングの解除方法は、調べればわりとすぐに出てきます。

どうやって、とはここには書きません。この記事は、お子さん本人にも読んでもらえたらと思って書いているからです。ただ、大人の側は知っておいたほうがいいと思うので、事実として書いておきます。

そして、たとえ調べる手段がなかったとしても、友達から回ってきます。

必殺技のコマンドと、同じ道すじです。あのころの私たちは、攻略本がなくても困りませんでした。いまの子どもたちも、たぶん困りません。むしろ速いでしょう。

本当にやりたいことなら、子どもは網をかいくぐってでも辿り着こうとする。

これは、子どもが悪い子だから、という話ではありません。私もそうだったからです。知りたいという気持ちは、そういうものなのだと思います。

それでもフィルタリングを入れる理由

では、かいくぐられるならフィルタリングは意味がないのかというと、私はそうは思いません。入れるつもりでいます。

理由は、守ってくれる場面が違うからです。

フィルタリングがいちばん効くのは、子どもが「行こう」と思っていないのに、行ってしまう場面だと思っています。広告をうっかりタップしてしまった。検索結果にまぎれこんでいた。友達から送られてきたリンクを何も考えずに開いた。こうした意図しない一歩を止めてくれる装置として、とても有用だと感じています。

逆に言えば、本人が強く行きたがっている場所を止め続ける力は、たぶんないということでもあります。

そう考えると、フィルタリングの役割ははっきりしてきます。

私が考えるフィルタリングの役割

かいくぐられないための壁ではなく、取り返しのつかない事故だけを防ぐための、シートベルトのようなもの。

シートベルトをしていても、無茶な運転をすれば事故は起きます。それでも、しているかいないかで結果が変わる場面は確実にあります。

フィルタリングをシートベルトにたとえた図。できることは「取り返しのつかない事故を防ぐ」、できないことは「本人が行きたい場所を止め続ける」。下に「致命傷を避けながら自分で考える力を育てる」とある
フィルタリングは、かいくぐられないための壁ではなく、取り返しのつかない事故だけを防ぐためのものだと考えています

だから私は、フィルタリングで致命傷を避けつつ、その裏側で自分の頭で考えられる力を育てていきたいと思っています。

ここからは、その「育てていく」ほうの話です。実は、法律にも似たことが書いてありました。

法律が言っていること

フィルタリングについては、それを定めた法律があります。

青少年インターネット環境整備法(正式名称:青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律)といいます。長いので、ここでは「青少年ネット法」と呼ばせてください。

条文の話が続きます。少しだけおつきあいください。ここを知ると、このあとの話し合いの中身が変わります。

基本理念の一行目

法律には「基本理念」という、その法律が何を目指しているかを示す条文が置かれることがあります。青少年ネット法にもあります。

青少年インターネット環境整備法 第3条第1項(基本理念)

青少年が安全に安心してインターネットを利用できるようにするための施策は、青少年自らが、主体的に情報通信機器を使い、インターネットにおいて流通する情報を適切に取捨選択して利用するとともに、適切にインターネットによる情報発信を行う能力(中略)を習得することを旨として行われなければならない。

フィルタリングを定めた法律の、理念のいちばん最初に書いてあるのが、「青少年自らが、主体的に」なのです。

「有害な情報を遮断すること」ではありません。「自分で選べるようになること」。それを旨として、つまりそれを第一の趣旨として、施策を行いなさいと書いてあります。

制限は目的ではなく、手段。法律のほうが先に、そう言っていました。

保護者の責務は3つ

では、親については何と書いてあるのか。第6条です。

青少年インターネット環境整備法 第6条第1項(保護者の責務)

保護者は、インターネットにおいて青少年有害情報が多く流通していることを認識し、自らの教育方針及び青少年の発達段階に応じ、その保護する青少年について、インターネットの利用の状況を適切に把握するとともに、青少年有害情報フィルタリングソフトウェアの利用その他の方法によりインターネットの利用を適切に管理し、及びその青少年のインターネットを適切に活用する能力の習得の促進に努めるものとする。

一文が長いので、分解します。親の責務として書かれているのは、次の3つです。

  1. 利用の状況を、適切に把握する
  2. フィルタリングなどで、利用を適切に管理する
  3. インターネットを適切に活用する能力の習得を促す

多くの人が思い浮かべるのは、たぶん2番目だけではないでしょうか。私もそうでした。

でも条文は、3つを並べて書いています。 しかも3番目は「能力の習得の促進に努める」。つまり使えるようにしてあげることまで、親の責務に入っているのです。

そしてもう一つ、見落とせない言葉があります。「青少年の発達段階に応じ」。同じ子でも、小学生と高校生では違って当たり前、と条文が言っています。

2026年4月に施行された条文

ここからは民法の話です。

民法に、第817条の12という条文があります。

この条文は、2024年5月24日に公布された改正(令和6年法律第33号)で新しく設けられ、2026年4月1日から施行されました。「公布」は法律が正式に決まって世に知らせること、「施行」はそれが実際に効力を持ち始めることです。決まってから使われ始めるまでに、2年近くありました。

まだあまり知られていない条文だと思います。

民法 第817条の12第1項(親の責務等)

父母は、子の心身の健全な発達を図るため、その子の人格を尊重するとともに、その子の年齢及び発達の程度に配慮してその子を養育しなければならず(後略)

「人格を尊重」「年齢及び発達の程度に配慮」。

青少年ネット法の「発達段階に応じ」と、同じことを言っています。

体罰を禁じた条文

よく似た条文が、もう一つあります。民法第821条です。こちらは2022年12月に施行されました。

民法 第821条(子の人格の尊重等)

親権を行う者は、前条の規定による監護及び教育をするに当たっては、子の人格を尊重するとともに、その年齢及び発達の程度に配慮しなければならず、かつ、体罰その他の子の心身の健全な発達に有害な影響を及ぼす言動をしてはならない。

体罰を明確に禁じた条文として紹介されることが多いのですが、その前半に「人格を尊重」「年齢及び発達の程度に配慮」が置かれています。

821条と817条の12の違いは、向けられている相手です。821条は「親権を行う者」に向けた条文。817条の12は「父母」に向けた条文で、親権があるかどうかに関係なく当てはまります。

もう一つ、並べておきたい条文があります。民法第820条です。

民法 第820条(監護及び教育の権利義務)

親権を行う者は、子の利益のために子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う。

親の都合のために、ではありません。

4つの条文の共通点

並べてみます。

  • 青少年ネット法 第3条 … 青少年自らが、主体的に使えるようになることを旨とする
  • 青少年ネット法 第6条 … 親の責務は、把握・管理・能力の習得の促進の3つ。発達段階に応じて
  • 民法 第820条子の利益のために
  • 民法 第821条・第817条の12人格を尊重し、年齢及び発達の程度に配慮する

別々の法律なのに、同じ方向を向いています。

一方的に制限するのではなく、発達に応じて、自分で使える人にしていく。

フィルタリングを定めた法律が、フィルタリングのことだけを書いているわけではありませんでした。

「決める」と「合意する」の違い

条文の話はここまでです。ここからは、実際の話に戻します。

ルールを「決める」と言うとき、私たちはたいてい、親が決めて子どもに伝えることを想像していると思います。でも、条文が言っている「主体的に」「人格を尊重」を踏まえると、少し違う形が見えてきます。

決めるのではなく、合意する。

言葉遊びのようですが、やってみると中身はかなり違います。

親子の約束の法的な位置づけ

先に、はっきりさせておきたいことがあります。

親子でかわす約束は、法律上の契約ではありません。

「1日1時間まで」と紙に書いて、二人でサインをしたとしても、それを破られたときに裁判所に訴えることはできません。家庭の中のことは、基本的に法律が立ち入らない領域だからです。

つまり、親子の約束を支えているのは、法的な強制力ではなく、お互いの信頼関係だけということになります。

言い換えると、強制力がないからこそ、納得だけが頼りになるということです。納得していない約束は、守る理由がどこにもありません。

机の下でゲームをしていたころの私は、まさにそうでした。「ゲームは1日30分」と言われていましたが、なぜ30分なのかを聞いた記憶がありません。 理由がわからないルールは、守るものではなく、かいくぐるものになっていました。

契約の作り方から学べること

法的な契約ではない。でも、契約の作り方には、家庭の約束にも使える知恵があると思っています。私が意識したいのは、次の4つです。

お知らせと合意の違い

契約は、片方が「こうします」と言っただけでは成立しません。もう片方が「はい」と言ってはじめて成立します。当たり前のようですが、家庭の約束では、ここが飛ばされがちです。

紙を渡して「これ守ってね」で終わると、形は約束でも、中身はお知らせになってしまいます。

理解のない約束は弱い

民法には、未成年者が親の同意なくした契約を、あとから取り消せるという仕組みがあります。判断する力がまだ育ちきっていない人を守るための考え方です。

裏返せば、中身をちゃんと分かっていない約束は、法律の世界でも弱いものとして扱われているということです。家庭の約束でも同じだと思います。「分かった」と言わせることより、「分かってもらう」ことのほうが、結局は近道なのかもしれません。

期限と見直し

長く続く契約には、たいてい期間と更新の仕組みがあります。ずっと同じ条件でいいはずがないからです。

子どもは一年で、驚くほど変わります。去年ぴったりだったルールが、今年は窮屈すぎる、ということは普通に起きるはずです。

破れたときの取り決め

契約書には、約束が守られなかったときにどうするかが書かれています。トラブルが起きてから考えると、感情が入ってうまくいかないからです。

家庭でも、たぶん同じです。ここがこの記事でいちばん難しいところなので、守れなかったときという章を後ろに用意しました。 先に読んでいただいても構いません。

数字で見るよその家庭

よその家庭がどうしているかは、私も気になるところです。

こども家庭庁が毎年やっている「青少年のインターネット利用環境実態調査」の、令和7年度の報告書から拾いました。

ルールの中身の移り変わり

まず、家庭でルールを決めていると答えた保護者に、どんな内容のルールかを聞いた結果です。学校種別に並べます。

  • 利用する時間
    小学生:86.6%
    中学生:75.6%
    高校生:43.3%
    学年が上がると:減っていく
  • 利用する場所
    小学生:46.6%
    中学生:34.2%
    高校生:18.0%
    学年が上がると:減っていく
  • 課金の上限や使い方
    小学生:50.9%
    中学生:60.7%
    高校生:61.9%
    学年が上がると:増えていく
  • 困ったときにはすぐに保護者に相談する
    小学生:61.5%
    中学生:63.5%
    高校生:66.9%
    学年が上がると:増えていく

上の2つと、下の2つで、動きが逆になっています。

家庭のルールの内容が学年とともに入れ替わることを示す折れ線グラフ。小学生から高校生へ、利用する時間は86.6%から43.3%、利用する場所は46.6%から18.0%へ減っていく。いっぽう課金の上限や使い方は50.9%から61.9%、困ったときにはすぐに保護者に相談するは61.5%から66.9%へ増えていく
外から縛るルールは減り、自分で判断するためのルールが増えていきます(こども家庭庁「令和7年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」より作成)

「時間」「場所」といった、外から縛るタイプのルールは、学年が上がるほど減っていきます。いっぽうで「課金」「困ったら相談する」といった、自分で判断するためのルールは、むしろ増えていきます。

つまり多くの家庭が、言葉にしないまま、「制限」から「合意」へ移していっているということです。そしてその移り方は、条文が言う「年齢及び発達の程度に配慮」と、きれいに重なります。

法律の理念と、実際の家庭。別々の場所にあるようでいて、同じ形をしていました。

約束の内容にある親子のずれ

この調査のいいところは、同じ質問を子ども本人にもしているところです。並べてみます。

  • 利用する時間
    保護者:70.9%
    子ども本人:73.5%
  • 困ったときにはすぐに保護者に相談する
    保護者:63.7%
    子ども本人:52.4%
  • ゲームやアプリの課金
    保護者:57.8%
    子ども本人:47.2%
  • 利用するサイトやアプリの内容
    保護者:55.4%
    子ども本人:44.7%

「利用する時間」は、ほとんどずれていません。むしろ子どものほうが高いくらいです。時間の制限は、ちゃんと伝わっているわけです。

ところが、「困ったときにはすぐに相談する」は、親の63.7%が「決めている」と答えているのに、子どもは52.4%。11ポイントほど、開いています。

いちばん子どもを守ってくれるはずの約束が、いちばん伝わっていないということになります。

家庭のルールの内容について、保護者と子ども本人の回答を比べた棒グラフ。利用する時間は保護者70.9%に対し子ども73.5%でほぼ一致。いっぽう、困ったときにはすぐに保護者に相談するは保護者63.7%に対し子ども52.4%で、11.3ポイントの差がある。課金は57.8%と47.2%、利用するサイトやアプリの内容は55.4%と44.7%
「困ったら言ってね」が、いちばん伝わっていません(こども家庭庁「令和7年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」より作成)

「何時まで」はくり返し言うから残る。「困ったら言ってね」は、一度言って満足してしまう。思い当たるところがあります。

しかも、この「困ったら相談する」は、さきほど見たとおり学年が上がるほど親が重視していくルールです。高校生の親の66.9%が「決めている」と答えている。親はどんどん大事にしていくのに、伝わり方はそこまで追いついていない。

守ってあげられる時期が終わりに近づくほど、いちばん必要な約束が届いていない。そういう数字に見えました。

数字の読み方について

この2つは、親と子を別々に選んで聞いた調査です。同じ親子の組を突き合わせたものではないので、「この家庭では食い違っている」と言えるわけではありません。全体として見るとずれている、という読み方が正確です。

学年とともに開く認識の差

そもそも「ルールがあるかどうか」についても、親子でずれがあります。

  • 小学生
    子ども本人:83.8%
    保護者:88.4%
    差:4.6ポイント
  • 中学生
    子ども本人:74.5%
    保護者:81.9%
    差:7.4ポイント
  • 高校生
    子ども本人:44.3%
    保護者:58.3%
    差:14.0ポイント

差が、学年とともにきれいに広がっていきます。

高校生になると、親の6割近くが「ルールを決めている」と思っているのに、子どもの側は4割台。親だけが、まだ有効だと思っている約束が、それなりにあるということなのだと思います。

一度決めて、それきりにしていると、こうなるのかもしれません。

ルールの効果

ここまで「制限が目的ではない」という方向で書いてきたので、念のため、反対側の数字も置いておきます。

子ども本人に聞いた「家庭のルールの有無」別に、1日のネット利用時間を見たものです。

平均利用時間
ルールあり299.8分(約5時間)
ルールなし386.1分(約6時間26分)

その差、約1時間26分。

ルールに意味がない、という話ではまったくありません。効いています。だからこそ、その効いているルールを、納得の上に置きたいと思うのです。

話し合いの進め方

では、実際にどう話すか。わが家でやってみようと思っている順番を書きます。

話す順番

スマホを渡す前の話し合いの順番を示した図。1スマホを渡す前に時間をとる、2心配していることを先に言う、3やりたいことを先に聞く、4その場で一緒に書く、5次に見直す日を決める。下に「決めるのではなく合意する」とある

1 スマホを渡す前に時間をとる

契約と同じで、渡してからでは条件が話しにくくなります。手に持ってしまったものを、取り上げる形になるからです。

2 心配していることを先に言う

「危ないから」ではなく、何がどう危ないと思っているのか。ここを省くと、理由のないルールになります。

私の場合は、自分が机の下でゲームをしていた話もするつもりです。制限する側の自分も、かつては制限される側で、しかもきれいに破っていた。 それを隠したまま「ルールを守りなさい」と言っても、説得力がないと思うからです。

3 やりたいことを先に聞く

制限から入ると、話し合いではなく駆け引きになってしまいます。何をしたいのかを先に聞いて、それをどうやったら安全にできるかを一緒に考える順番にしたいと思っています。

4 その場で一緒に書く

親が清書して渡すのではなく、その場で一緒に。

ここは形式の話に見えて、いちばん大事なところかもしれません。青少年ネット法第3条が言っていたのは「青少年自らが、主体的に」でした。自分で書いた約束は、自分のものになります。 渡された紙は、どこまでいっても人のものです。書く手が動いた分だけ、その約束は本人のものに近づくと思っています。

5 次に見直す日を決める

期限のない約束は、たいてい古くなったまま残ります。「次の誕生日に、もう一度話そう」「春休みになったら見直そう」のように、カレンダーで指させる日にしておくと忘れません。わが家では、進級のタイミングに合わせようと考えています。

決めること6つ

何を決めるか。先ほどの調査で実際に選ばれていた項目が、そのまま参考になります。

スマホの約束で決めること6つを並べた図。1使う時間、2使う場所、3お金のこと、4使うアプリ、5送る前に立ち止まるもの、6困ったときにどうするか。6つ目が最も大きく強調され、下に「6つ目にいちばん時間をかけたい」とある
  1. 使う時間(何時まで、1日どのくらい)
  2. 使う場所(自分の部屋に持ち込むか、寝るときどこに置くか)
  3. お金のこと(課金の上限、誰に相談してから使うか)
  4. 使うアプリ(新しく入れるとき、どうするか)
  5. 送る前に立ち止まるもの(写真、人の悪口、自分や友達の個人情報)
  6. 困ったときにどうするか(誰に、どうやって言うか)

6番目を、いちばん時間をかけて話したいと思っています。データで見たとおり、ここがいちばん伝わっていないところだからです。

そして「怒らないから言ってね」と言うだけでは、たぶん足りません。本当に打ち明けられたとき、自分がどんな顔をするか。 試されるのは、子どもが約束を守れるかどうかではなく、親が「怒らない」という約束を守れるかどうかのほうだろうな、と身構えています。

お金のことは、話すと長くなります。子どもが無断で課金してしまったときに返金してもらえるのか、実際に何をすればいいのかは、子どものゲーム課金は返金してもらえる?(このサイトの別記事)にまとめています。

紙に書くかどうか

書いたほうがいいと思っています。理由は2つです。

ひとつは、言った言わないを避けられるから。もうひとつは、見直すときに元の形が残っているからです。

総務省の資料にも、こんな書き方がありました。

話し合ってルールを決めたら、目につくところに掲げ、各種設定や調整ツールを活用する方法がお勧めです。

冷蔵庫でも、リビングの壁でもいいのだと思います。しまい込まない場所に置く、というのが大事なのでしょう。

見直すタイミング

見直す場面は、だいたいこの3つかなと考えています。

  • 年に一度(誕生日や、学年が変わるとき)
  • 進学のとき(環境も、友達も、必要なアプリも変わります)
  • 何か起きたとき

3つ目がいちばん難しいところです。次の守れなかったときで書きます。

守れなかったとき

ここが、この記事でいちばん難しいところです。そして、たぶんいちばん知りたいところでもあると思います。

罰ではなく作り直し

まず、私が参考にしたい考え方を紹介します。総務省の「インターネットトラブル事例集」に、こんな一節があります。

どんなルールが適切かは、発達段階、使い方、環境などによりまちまち。学校でも家庭でも話し合って決め、調整しながら守ることが大切です。(中略)年齢を問わず、約束は話し合いながら一緒に作ること。窮屈になったら守らないのではなく、話し合って再調整を繰り返しながら、自己管理できる大人を目指しましょう。

「窮屈になったら守らないのではなく、話し合って再調整」。

守れなかったときにまずすることは、罰を与えることではなく、約束のほうを作り直すこと

考えてみれば、筋は通っています。守れなかったということは、そのルールが、いまのその子に合っていなかった可能性があるからです。合っていないルールを罰で守らせても、上達するのは「バレない工夫」のほうです。私がそうだったように。

一緒に考えたい3つのこと

とはいえ、「じゃあ何もしないのか」というと、そうではありません。わが家でやりたいのは、一緒に考えることです。

具体的には、この3つを並べて考えたいと思っています。

  1. それで、実際に何が起きたか(起きなかったなら、それも含めて)
  2. 起こり得たリスクは何だったか
  3. いちばん悪い場合、どうなっていたか

そのうえで、法的にはどういう位置づけの話なのかも一緒に確認したいと考えています。ネットで起きることの多くには、ちゃんと名前のついた問題があるからです。たとえば、こういうことです。

  • 友達の写真を、本人に断らず投稿した
    ついている名前:肖像権の侵害
    根拠になる条文:憲法13条から導かれる権利。お金の賠償を求められることがあります(民法709条)
  • 人の悪口を書き込んだ
    ついている名前:名誉毀損
    根拠になる条文:刑法230条。本当のことを書いた場合でも成り立ちます
  • 「危害を加える」と受け取れることを書いた
    ついている名前:脅迫
    根拠になる条文:刑法222条
  • 勝手に課金した
    ついている名前:未成年者の契約の取消し
    根拠になる条文:民法5条2項
  • 好きな漫画やアニメの画像を無断で載せた
    ついている名前:著作権侵害
    根拠になる条文:著作権法21条・23条。119条に罰則があります

怒られるからやめる、ではなく、何がまずいのかを自分で説明できるようになる。 そこまで行けたら、その失敗には意味があったのだと思います。

「失敗から学ぶ」の前提

私は基本的に、失敗がいちばんの学びになると考えています。

ただ、この考え方には前提があります。

失敗から学んでほしい。ただし、取り返しのつくうちに。

ネットの世界には、取り返しのつかない失敗があります。自分の写真が広まってしまう。知らない大人と会ってしまう。一度出てしまった情報は、完全には戻せません。

フィルタリングは、その「取り返しのつかない側」だけを防ぐための装置だと考えています。取り返しのつく失敗まで全部防ごうとすると、学ぶ機会のほうがなくなってしまいます。

この線引きが、私の中ではいちばんしっくりきています。シートベルトは締める。でも、運転そのものは止めない。 そんな感覚です。転ばずに自転車に乗れるようになった人はいないのと同じで、失敗しないまま上手になる道は、たぶんありません。

なお、すでに何か起きてしまっている場合は、家庭の中だけで抱えないほうがいいと思います。SNSがきっかけのトラブル全般と、状況別の相談窓口は、子どものSNSトラブル総まとめ(このサイトの別記事)にまとめています。

設定にかかるお金

ここからは、実務的な話です。「結局いくらかかるの」という話をしておきます。

先に結論を書きます。ぜんぶ無料でできます。

有料と無料の違い

まず、携帯電話会社が出しているフィルタリングは、3社とも無料です。公式ページに「月額使用料:無料」「月額利用料 無料」「本サービスは無料です」と、それぞれ明記されています。

iPhoneのスクリーンタイム、Androidのファミリー リンク、ゲーム機の見守り機能、Windowsのファミリー セーフティも、すべて無料です。

では、有料のフィルタリングサービス(家庭向けだと1年4,400円ほどのものがあります)は何が違うのか。調べてみると、増えるのは主にこのあたりでした。

  • 検索単語ランキング … 子どもが何を検索したかの一覧
  • 閲覧履歴・アクセス統計 … 見たサイトの記録をグラフで確認
  • 各種通知メール … 利用状況、アプリを消したとき、無効にしたときの通知

見ていただくと分かるとおり、有料が足しているのは、主に「見る」機能です。

そして正直に言うと、私はここに、あまりお金を払いたいと思えませんでした。この記事でずっと書いてきた方向と、逆を向いている気がするからです。検索した言葉の一覧まで見るのは、「人格を尊重」からは少し遠い場所にある気がします。

もちろん、これは考え方次第です。年齢が低いうちや、すでに心配な出来事があったご家庭では、見守りを厚くする選択も十分にありえると思います。

ここから先は、機器ごとの設定です。お使いのものだけ読んでいただければ大丈夫です。

iPhoneのスクリーンタイム

無料のなかでも、iPhoneのスクリーンタイムは、かなりよくできていると感じました。

設定は、設定アプリ →「スクリーンタイム」→「ファミリー」でお子さんの名前をタップ。事前に「ファミリー共有」の設定が必要です。

  • 休止時間 … 決めた時間帯は、アプリと通知が止まります(電話と、許可したアプリだけ使えます)
  • アプリ使用時間の制限 … ゲームやSNSといったカテゴリ単位でも、アプリ1つ単位でも設定できます
  • コンテンツとプライバシーの制限 … 年齢に合わないコンテンツ、アプリ内課金、設定の変更などを制限できます
  • コミュニケーションの制限 … やり取りできる相手を選べます
  • 画面との距離 … 近づけすぎていると教えてくれます

このなかで、私がとくにいいと思ったのがコミュニケーションの安全性です。子どもがセンシティブな写真や動画を送ったり受け取ったりしようとしたときに、いったん止めて、年齢に応じた案内を出してくれます。自画撮りの被害は、まさにここで起きます。

そして、その写真の中身をAppleが見ているわけではないと明記されています。守るために全部を覗く、という作りになっていないところに、私は好感を持ちました。

スクリーンタイムを使ってお子様のiPhoneやiPadを管理する(Apple公式)

Androidのファミリー リンク

Androidは、Googleのファミリー リンクが無料で使えます。親のスマホにアプリを入れて、子どもの端末と結びつけて使います。

  • 利用時間の上限 … 1日の上限のほか、休息時間スクールタイムのスケジュールを組めます
  • アプリごとの制限時間 … 「Chromeは1時間、学習アプリは無制限」といった設定ができます。アプリごとにブロックもできます
  • コンテンツの制限 … Chrome、Google Play、YouTube、Google検索それぞれに制限をかけられます
  • 新しいアプリの承認 … 子どもがアプリを入れたいとき、親の承認を必須にできます
  • 位置情報 … 地図で確認でき、特定の場所に着いた・出たときの通知も受け取れます

親がスマホを持っていない場合でも、パソコンのブラウザから設定できます。

Google ファミリー リンク(Google公式)

ゲーム機の見守り機能

スマホだけ設定して安心してしまうのは、よくある落とし穴だと思います。子どもが長く触っているのは、案外ゲーム機のほうかもしれません。

Nintendo Switchは、『Nintendo みまもり Switch』という無料アプリで設定します。

  • 遊ぶ時間 … 約束の時間が過ぎるとアラームでお知らせ。「時間になったらソフトを中断する」をONにすれば、自動で止まります
  • 年齢に合わないゲームCERO(セロ)の年齢区分に合わせて、遊べるソフトを設定できます。CEROは「特定非営利活動法人コンピュータエンターテインメントレーティング機構」の略で、ゲームソフトの内容を審査して「全年齢」「12才以上」などの区分をつけている団体です。パッケージに付いているあの表示です
  • コミュニケーションの制限 … メッセージや画像の交換を、ソフトごとに制限できます
  • ゲームチャット(Switch 2) … 事前に保護者が許可した相手としかチャットできません。ビデオ通話は、その都度保護者の許可が必要です
  • プレイ状況 … どのゲームをどれくらい遊んだかが分かり、月に一度レポートも届きます

保護者2名で見守れる「いっしょにみまもり」も追加されています。

Nintendo みまもり Switch(任天堂公式)

PlayStationは、先に「ファミリー」を作って、子どものアカウントを追加してから設定します。

  • 設定場所は、PS5なら[設定]→[ファミリーとペアレンタルコントロール]→[ファミリー管理]
  • スマホの「PlayStation Family アプリ」からも設定できます
  • あそぶ時間の管理利用限度額(課金の上限)、ゲームとコンテンツの制限コミュニケーションの制限(テキスト・ボイスチャット、作ったものの共有)が設定できます

PlayStationのペアレンタルコントロールを設定する方法(PlayStation公式)

Windowsのパソコン

パソコンにも、無料の仕組みがあります。マイクロソフトの「ファミリー セーフティ」です。マイクロソフトのアカウントがあれば使えます。

  • コンテンツ フィルター … 成人向けサイトのブロック、許可したサイトだけに限定する設定
  • 使用時間の制限 … 曜日ごとに細かく設定できます
  • アプリとゲームの制限 … アプリごとに使用可否と、1日の利用時間を設定できます

ひとつ知っておきたいのは、Webの制限はMicrosoft Edgeというブラウザが前提という点です。ChromeなどEdge以外のブラウザは、フィルターをすり抜けられないようにブロックされる仕組みになっています。

Microsoft Family Safety(マイクロソフト公式)

携帯会社のあんしんフィルター

ドコモ、au、ソフトバンクは、いずれも「あんしんフィルター」という名前の無料サービスを出しています。

ひとつ知っておきたいことがあります。iPhoneを使っているご家庭は、あんしんフィルターを入れなくても大丈夫です。

先に書いたとおり、iPhoneはスクリーンタイムだけで、Webサイトの制限もアプリの制限も設定できます。 わざわざ重ねて入れる必要はありません。

というのも、iPhoneではあんしんフィルターの役割が限られるからです。総務省の資料には、こう書かれています。

iPhoneやiPadは、基本的にあんしんフィルターなどのフィルタリングアプリで制御できるのはWeb接続のみとなります。アプリに関するコントロールについては、Appleが提供しているスクリーンタイムなどを使用する必要があります。

※ 総務省「インターネットトラブル事例集(2026年版)」より。出典はこちらです → 知っていますか?「ペアレンタルコントロール」

あんしんフィルターが力を発揮するのは、主にAndroidのスマホです。Androidでは、Webの制限に加えてアプリの制限まで届きます。お使いの機種で選んでください。

いま、どうなっているか知っていますか

契約したときに入れたか、外したか。外したあと、そのままか。

調査では、「契約時または契約変更時にフィルタリングに加入した」が54.3%、「加入しなかった」が30.7%、そして「加入したが、解除した」が10.3%でした。10軒に1軒ほどが、一度入れたものを外しています。

外した理由まではこの調査では分かりません(使いにくかった、必要がなくなった、いろいろあると思います)。ただ、いまどうなっているか知らないという状態だけは、もったいない気がしています。

どの機器にもある「聞いてみる」窓口

ここまで4社の設定を並べてきて、ひとつ気づいたことがあります。どこも同じ仕組みを持っているのです。

  • Apple … 制限にぶつかったとき、子どもが例外をリクエストでき、親が答えられる
  • Google … 新しいアプリを入れるとき、子どもの求めに親が承認を出す
  • Nintendo … ビデオ通話は、子どもからのリクエストを親が許可してはじめて始められる
  • PlayStation … ペアレンタルコントロールに「例外を設定する」項目がある

制限をかける機能と一緒に、子どもの側から言い出せる窓口が、はじめから組み込まれている。

言い出せる場所は、最初から用意されている

作った会社はどこも、「制限したら終わり」とは考えていませんでした。「ダメ」のあとに「なんで使いたいの」を置ける場所を、ちゃんと作っています。

この記事でずっと書いてきた「決めるのではなく、合意する」は、実はもう手元の機械の中に入っているのだと思います。あとは、使うかどうかだけです。

設定を「子どもを閉じ込める鍵」だと思っていると、この窓口は目に入りません。でも、子どもが声を上げるための道具でもあると思って見ると、風景が少し変わって見えます。

18歳からの本物の契約

最後に、少し先の話をします。

ここまで「親子の約束は、法律上の契約ではない」と書いてきました。でも、18歳になると事情が変わります。

民法 第818条第1項(親権)

親権は、成年に達しない子について、その子の利益のために行使しなければならない。

「成年に達しない子について」。つまり親権は、18歳で終わります。そこから先、その人が結ぶ契約は、本物の契約です。

スマホの契約も、サブスクも、クレジットカードも、自分の名前で結べるようになります。そして、未成年のうちにあった「あとから取り消せる」仕組みは、使えなくなります。

そう考えると、いま家庭でやっていることの意味が、少し変わって見えてきます。

練習しているのは、契約の結び方なのかもしれません

条件を確かめる。分からないところを聞く。納得してから「はい」と言う。守れなかったら、話し合って直す。

親子の約束でやっているこれは、そのまま契約のやり方です。

強制力のない約束で練習できるうちに、たくさん失敗しておく。18歳からの本番で、それが効いてきます。

そして、練習できる期間は、思ったより長くありません。

小学校の高学年で持たせたとしたら、18歳までおよそ6年。中学生からなら、5年。毎年見直すとしても、話し合いの機会は5回か6回です。

無限にあるように感じていた時間は、数えてみると、それくらいでした。

子どもへ

ここからは、スマホを使っている、あるいはこれから使うみなさんへ。

スマホは、とても便利な道具です。同時に、ちょっとこわい道具でもあります。両方とも本当のことです。

フィルタリングは、あなたを信じていないから入れるものではありません。

自転車に乗るときのヘルメットに似ています。ヘルメットをかぶるのは、あなたが下手だからではなくて、転んだときに、頭だけは守りたいからです。

それでも、窮屈に感じることはあると思います。そのときは、こっそり外す方法を探す前に、ひとこと言ってみてほしいのです。「これが使いたい」「この時間だと足りない」。

さっき書いたとおり、あなたのスマホやゲーム機には、そのための窓口がついています。 勝手にすり抜けなくても、言えば届く仕組みが、はじめから入っているのです。

言われた大人が、そのとき全部を受け入れられるかは分かりません。でも、話してみないと、変わりようがありません。 黙って外されるのがいちばん困る、というのが、大人の側の本音だと思います。

そしてもうひとつ。

何か失敗したとき、困ったとき、いちばん強い味方は、近くにいる大人です。

知らない人に写真を送ってしまった。お金を使いすぎた。誰かとけんかになった。言いにくいことほど、早く言ったほうが小さく済みます。時間がたつほど、たいてい難しくなります。

もし家の人に言いにくかったら、下の窓口に連絡してみてください。相談することそのものに、お金はかかりません。 話した内容は秘密として守られます(法務省は「相談は無料、秘密は厳守します」と書いています)。

ひとつだけ気をつけてほしいのは、通話料です。0120で始まる番号は通話料もかかりません。#で始まる番号や188は、通話料がかかります。かけにくければ、0120のほうから試してみてください。

困ったときの相談先

  • だれかに話を聞いてほしい(なんでも)
    24時間子供SOSダイヤル 0120-0-78310(文部科学省)24時間・年中無休
  • いじめ、悪口、さらされた
    こどもの人権110番 0120-007-110(法務省)平日8:30〜17:15
  • 裸の写真を送らされた、それで脅されている
    #8103(警察の性犯罪被害相談電話)夜間・土日祝も対応
  • 犯罪かもしれない、警察に相談したい
    警察相談専用電話 #9110(急ぐときは110番
  • お金を使いすぎた、返金の相談
    消費者ホットライン 188
  • つらくて、どうしようもない
    まもろうよ こころ(厚生労働省)電話・SNS・チャットの窓口がまとまっています 公式サイト

自分が悪かったのかどうかは、あとから一緒に考えれば大丈夫です。 先に決めなくていいので、まず味方を増やしてください。

おわりに

私の親は、私が机の下でゲームをしていたことを知っていました。

見つかって、叱られたこともあります。それでも私は、やめませんでした。やめるどころか、見つからない工夫のほうが上達していきました。

つまり、気づくことと、やめさせることは、別のことでした。

青少年ネット法第6条が親の責務として挙げていたのは、「把握する」「管理する」、そして「使えるようにする」の3つでした。私の親は、最初の2つはやっていたのだと思います。

ただ、3つ目は難しかったはずです。親が子どもだったころ、ゲームはありませんでした。 自分が通ってこなかった道を、どう案内すればいいのか。分かるはずがなかったと思います。

そして、これは昔の話ではありません。

これから先も、親が経験していないことを、子どもが経験していきます。 私が名前も知らないサービスを、私より先に子どもが使いこなす。そういうことが、どんどん増えていくはずです。そのとき、私にどこまでできるのか。

いつの時代も、「使えるようにする」がいちばん難しい責務なのだと思います。だって、これからどんどん、親が使えていないものを子どもが使うようになるのですから。

だからこそ、こう思うのです。

子どもが夢中になっているものを、頭ごなしに否定しない。分からないことは、教えてもらう。親のほうも、学び続ける。

必要なのは、そういう姿勢のほうなのかもしれません。

そのうえで、自分の子どもには、ルールより先に理由を渡したいと思っています。なぜそれが危ないのか、破ったときに何が起こりうるのか。それを一緒に考えるほうに、時間を使いたい。

フィルタリングは入れます。でもそれは、かいくぐられないためではなく、取り返しのつかない失敗だけを防ぐために。残りの失敗は、取り返しのつくうちに、たくさんしてくれたらいいと思っています。

そして、いつか外す日が来ます。 18歳になれば、親権は終わります。そのとき自分で判断できる人になっていてほしいから、いま設定するのだと思います。

正解は、たぶん家庭の数だけあります。この記事が、そのうちのひとつを考えるきっかけになればうれしいです。

なお、ここに書いたのは制度や条文の一般的な説明です。実際にトラブルが起きている場合や、個別の事情がある場合は、専門家や相談窓口を頼ってください。

  • ネット・スマホのトラブル全般
    警察相談専用電話 #9110(急ぐときは110番
  • 課金・契約・返金
    消費者ホットライン 188
  • 法的な手段を考えたい
    法テラス 0570-078374(使える制度と専門家を教えてくれます)
  • 学校で起きていること
    まず学校へ。動きが鈍いと感じたら24時間子供SOSダイヤル 0120-0-78310

※ 相談そのものは無料です。ただし#や188で始まる番号は通話料がかかります(0120はかかりません)。

状況別のより詳しい窓口一覧は、子どものSNSトラブル総まとめ(このサイトの別記事)に載せています。

参考にした情報

この記事は2026年9月時点の情報をもとに書いています。制度や設定方法は変わることがあるので、実際に設定するときは各公式ページをご確認ください。

法令(e-Gov法令検索で条文を確認しました)

統計・公的資料

設定方法(すべて公式ページ・無料)